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「全員に全胚凍結」は正当化されるのか?(4)

【目次】

さ、ではこの話題、最終回です。
そんなわけで、
「排卵誘発した周期は、高エストロゲンなどのホルモンバランスで子宮内膜の着床率が低下する」
という考えがあるわけです。
しかしながら、同じ、例えばアンタゴニスト法でも、3個しか育たない人も、30個位育つ人もいるわけです。
エストラジオールも、300位の人も、9000とかの人もいるわけです。
なので、何でもかんでも「排卵誘発したから」とひとまとめにして議論するのは無理があるわけです。

自然で1個育ちならいい、というわけですよね。
排卵誘発して30個育ち。これは流石にそもそもOHSSがやばいわけです。
では2個育ちなら?3個育ちなら?4個育ちなら?・・・・
この辺の人は1個育ちの人に近いような気がしますよね。

で、前回出てきたを見てみたいと思います。

【Study question】
(沢山育った患者ではなく)「平均的な数が育った」患者は、新鮮胚移植をするより、全胚凍結してその後に融解胚移植をした方が結果がよくなるのだろうか?

【Summary answer】
全胚凍結してその後に融解胚移植をしても、妊娠継続率、take home baby率は新鮮周期と変わらない。

【Study design】
20-44才の初回または2回目の体外受精で、4-20個の採卵ができた882周期を検討した。
364周期(41.3%)は新鮮周期、518周期(58.7%)は全胚凍結し、その後融解胚移植をした。

【Main results】
妊娠継続率は33.2% vs. 32.9%、take home baby率は36.2% vs. 33.8%で有意差は無かった。

これらの結果より、(沢山育った患者ではなく)「平均的な数が育った」患者に全胚凍結を勧める根拠にはならない。
新鮮周期をすれば、時間を奪われずに済み、しかもコストも安くて済むかもしれない。
今後きちんと「平均的な数が育った」患者群で検討され、エビデンスが出ない限り、新鮮周期→全胚凍結にシフトする必要性は薄い。


ということで、4個育った人と21個育った人に同様に「あなたたちは排卵誘発したんだから全胚凍結」とするのはどうか?というわけです。
全胚凍結する、ということは、時間もお金も奪ってしまうわけですから、エビデンスが無い「平均的な数が育った」患者群に行ってしまうことは問題があるのかも知れません。

やっぱり個別に対応を考えるべきなのでしょう。

では、この話題、おしまい。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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