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「薄い子宮内膜」に脱力感を感じている最中に

先日もを書いたばかりですが、直近、過去に「子宮内容除去術」や「子宮内膜掻爬術」を受けられた方が、その後「薄い子宮内膜」になり、「不妊」になり・・・・のパターンの方を拝見するのが続きました。

目の前の女性がhappyになってもらうことを願う産婦人科医としては、さすがにちょっとショッキングで、

もう予防していくしかないわけです。
流産はある程度やむを得ないにしても、やっぱ「望まない妊娠」は是非とも避けたいわけです。
やっぱ、避妊の啓蒙活動、必要だよなぁ。
将来、内膜菲薄化に苦しまないよう、適時に「避妊の啓蒙」、やろう。


などと書いたわけですが、逆に直近非常に嬉しかったご妊娠成立の方がお二人続いたのでご紹介してみたいと思います。
(こういうのは不思議と続くものです。巡り合わせってあるんだなぁ。)

今回「非常に嬉しかったお二人」は、子宮体癌stageⅠaの妊孕性温存療法後の妊娠の方です。

子宮体癌は基本的には子宮全摘となるのですが、(詳細は省略しますが)一部条件を満たせば子宮を温存することが可能な場合があります。
但し、この子宮体癌stageⅠaの妊孕性温存療法、検査目的に何回も何回も子宮内膜の掻爬を行います
そうなんです。
折角、子宮が温存できても、掻爬を繰り返すので、結局「薄い子宮内膜」になってしまうことが多く、不妊治療としては苦戦することが多いわけです。
「何のための妊孕性温存なのか?」がよくわからない状況、つまり、

確かに子宮は温存されているけど、妊孕性は温存されているとは言えない状況

になってしまうこともしばしばでした。
ま、敵は「癌」ですし、ガイドラインにも

治療中に繰り返して子宮内膜全面掻爬を行い,組織学的に癌の消失の有無を確認する必要がある。

と書かれておりますので、それが標準治療法なのですが。

で、そんな中、今回、子宮体癌stageⅠaの妊孕性温存療法後妊娠の方が先週末~今週初めにお二人続きました。
このお二人とも、子宮体癌の主治医の先生が、この「薄い内膜になってしまう」ことを懸念して、ちょっと工夫をして子宮内膜に非常に愛護的に接してくださったのです。
(その方法は、エビデンスがあるのかは知らないので詳細は割愛させていただきます。あしからず。)
不妊治療の過程でも、特段「内膜の薄さ」は気にならず、普通に対応させていただきました(ちょっとだけ工夫を加えましたが)。

このように、婦人科癌の専門の先生にも、不妊治療の現場で大問題になっている「薄い内膜」という状態の存在をご認識いただき、子宮体癌の治療というシビアな現場でギリギリの選択をして子宮内膜に極めて愛護的に接して下さり、治療後の「薄い内膜」になってしまうのを避けてくださった結果、お二人の笑顔に接することができました。

産婦人科医たるもの、かくありたいものです。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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