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黄体補充を頭を使って考察しよう!(1)

さて、また新企画!「黄体機能不全」を考えていきたいと思います。
えっと、バックグラウンドとして
  • 黄体期中期に「黄体機能検査」と称して、ワンポイントでE2/Pを採血しても「黄体機能不全」という診断は絶対に下せない。
  • (月経周期が順調な場合、)自然排卵周期やクロミフェン周期での黄体補充は有効性はない(と思う)。なので、ルーチーンでルトラールやらデュファストンやら内服するのは如何か?
というのを解説してきました。
えっと、解説はこちら。
不妊治療の世界、このようにロクなエビデンスもなく、慣例的・風習的に行われていることが非常に多い。
先輩たちがやってきたことをそのまま鵜呑みにして、大脳皮質を介さずに、脊髄レベルで判断されていることが多いわけです。
それも無害ならまだいいわけですが、時には有害なこともあるわけで。
悔しいわけです。

で、今回から、「黄体機能不全」を、ちゃんと「大脳皮質」レベルで考えてみようかと思います。
と言っても、そんなに難しいことをするわけではありません。
「高校生物レベルの知識+α」で十分理解可能です。
要するに、結論としては、また「神様がきちんと最高のシステムを作ってくださっている」という、本HPのお得意の結論に達するだけです。

まず読むのは、今年のfertility and sterilityにこれから載る予定のこちら。です。
内容は、というと、
「排卵誘発-AIH周期での黄体補充について」
というわけです。
こまごま書いてあるのですが、核心部分だけ箇条書きにします。
  • FSHのみで排卵誘発-AIHした場合、プロゲステロンによる黄体補充をしたほうが妊娠率/出産率ともに高い。(臨床的妊娠率でOR 1.77 95%CI 1.20-2.60、出生率でOR 2.63 95%CI 1.42-4.80)
  • クロミフェン-AIHではプロゲステロンによる黄体補充は妊娠率を上昇させない。(臨床的妊娠率でOR 0.89 95%CI 0.47-1.67)
  • クロミフェン-hMG-AIHもプロゲステロンによる黄体補充がは妊娠率を上昇させる、というエビデンスはない。(臨床的妊娠率でOR 1.34 95%CI 0.81-2.23)
とのことです。
要するに、
同じ排卵誘発でも、
hMGの時には黄体補充をやったほうがいい。
でも、クロミッドの時には黄体補充は無駄。

ということです。
なぜそうなるのか?この理屈解りますか?
大丈夫です。
数日お付き合いいただきますと、これが当たり前に思えるようになります

明日以降でなぜそうなるのか?の解説をしますので、それまで皆さん、ぜひともこの理由考えてみてください!
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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