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黄体補充を頭を使って考察しよう!(2)

では解説。

黄体ホルモンの分泌は、黄体が自分で勝手に行っているのではなく、脳下垂体前葉から分泌されるゴナドトロピン(FSH/LH)の命令に従って分泌されるのでした。

で、さらに、脳下垂体前葉から分泌されるゴナドトロピン(FSH/LH)は、視床下部に存在する「GnRHニューロン」が分泌するGnRHの命令に従って分泌されるのでした。

で、さらに、「GnRHニューロン」から分泌されるGnRHは・・・・
と繋がるのですが、今回はややこしいのでこの上流の話は抜きで解説します。

視床下部に存在する「GnRHニューロン」が分泌するGnRHは、もう何度も解説したがごとく、じわじわ~~っと連続的に分泌されているわけでは無いわけですね。
「ピュッ」と出てはしばらくお休み、また「ピュッ」と出てはしばらくお休みといった感じ。
ちょうど「間欠泉」みたいな感じで分泌されている。
これを「パルス状分泌」と呼ぶのでした。

で、GnRHがパルス状に命令を送ってくるので、下垂体からのゴナドトロピン(FSH/LH)も「パルス状」に出る。
で、ゴナドトロピン(FSH/LH)がパルス状に命令を送ってくるので、黄体からのプロゲステロンも「パルス状」に出る。

といった構図になっているのでした。
なので、黄体からのプロゲステロンの分泌も、「じわじわ~~っ」と連続的に分泌されているわけでは無かったわけです。

例えばこちら。1984年の論文ですが、その頃にはもうとっくにそういう分泌形式であることが知られていたわけです。上の図ご覧ください。黄体期8日目のLHとプロゲステロンの分泌を10分おきに24時間ひたすら計りつづけたそうです!(えらい迷惑な実験です!)
上がLH、下がプロゲステロンだそうです。
この方の場合、LHのパルス(間欠泉)は24時間で5回起こっていますかね。
で、プロゲステロンの分泌もLHに引きずられてえらく変動していますね。
プロゲステロンの変動は、一日のうち、最小は10を切ってますね。5に近いぐらいですか?最高は35位ですかね。
そうすると、ざっと7倍変動しているわけですね。

そんなわけで、昨日も書いた通り、
  • 黄体期中期に「黄体機能検査」と称して、ワンポイントでE2/Pを採血しても「黄体機能不全」という診断は絶対に下せない。
わけです。
ワンポイントで、仮に10以下だったとしても、この人のようにその日の別の時間には35まで上がるわけです。
なので、本当の意味での「黄体機能不全」というのは、ワンポイントのプロゲステロン値では物は言えるはずもなく、「LHのパルス状分泌がきちんと起こっているか?」ということです。
つまりは、「GnRHニューロンはきちんとパルス状にGnRHを分泌しているか?」ということです。


つまり、本当の本当に「自分が黄体機能不全かどうかを知りたい!」というのなら、この論文の被験者ばりのことをやらないとわからないわけです。
いや、仮にやっても、多分わからないでしょうね。
「パルス状分泌」がどの程度まで減弱すると着床障害になるのかのデーターを得るところから入っていかないといけないわけですし。
かつ、同じプロゲステロン濃度でも、内膜の感受性も万人同じじゃないでしょうしね。

そんなわけで、黄体期中期にたった一回黄体ホルモンを採血することが、いかに無力な検査か、ということがおわかりいただけると思います。

で、昨日の話の続きです。
「どんな人が黄体補充をおこなったら利益が出るのか?」
という問いでした。
そんなわけで、「黄体期にワンポイントで黄体ホルモンを採血してたまたまその値が低かった人」というのは流石にね・・・。
で、真のターゲットは、ズバリ!、
「GnRHニューロンがきちんとパルス状にGnRHを分泌していないと思われる人!」
ということになりませんか?

さて、昨日の問題の答えに大分近づいて来ましたよ!
続きは明日以降のお楽しみ!
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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