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Reproductive Healthの管理も自己責任の時代になりつつあるわけで(1)

疫学研究(特に観察研究)が盛んにおこなわれた結果、あらゆる面での「健康」に及ぼす因子というものが明らかになってきています。
社会的にも保健衛生活動や啓蒙運動が盛んになり、結果、社会情勢も変化していますよね。
いい例が喫煙。
一昔前は「カッコいい」「頼りになる」「大人っぽい」といったイメージでしたが、最近では「だらしない」「自分勝手」「意志が弱い」だそうです。
(手厳しい意見では、「教養がない」「品がない」「異性にもてない」「仕事ができない」など。)
出典:いまどき新社会人の喫煙事情

その結果、現代では、「健康管理は自己責任」と言われるようになってきており、厳しい言葉ではあるのですが、否めない一面があるのも事実だと思います。

「Reproductive Health」(いい日本語訳がないなぁ。生殖に関する健康さ・健全さといったイメージですね)についても同様で、個人個人のライフスタイルが及ぼす影響というのは、当然ながら大きい。
いい例が「年齢」ですね。
直近NHKなどで何度も特集されたり、助成金の年齢制限の話が出たり、いよいよ「卵子貯金」もgoが出るようですが、「Reproductive Healthの管理も自己責任」の時代になりつつあるようです。(もう既になっている??)

そんな中に論文掲載されたこちら、を読んでみようかと思います。
(しかし、副題の「taking control of your fertility」って、凄いねぇ。「自身の妊孕能を支配する」ですからねぇ。)
open accessですから、皆さんも論文そのものが見れると思います。
右上のリンクボタンを押すと論文そのものが読めると思います。
僕の和訳がおかしかったら指摘してください!
今日はその1として、「年齢因子」のところ行きます。

【The reproductive timeline(年齢因子)】
  • 教育期間の延長などで、挙児希望年齢が上昇してきている。
  • 男性側では
    • 加齢とともに、テストステロン濃度が減少し、精巣機能が低下する。しかしながら、(減少した分の)テストステロンを補充しても、造精機能は回復せず、むしろ抑制されてしまう。
    • 精液検査所見上の低下は35歳ぐらいから見られるようになる。
    • 精液量と運動率はともに低下し、異常形態精子数が上昇する。
    • 40歳を超えると、精子のDNA損傷が有意に上昇する。
    • 男性の年齢が上昇すると、「妊娠までにかかる時間」がどうやら長くなるようだ。
    • 男性の年齢が45歳以上になると、カップルが妊娠するまでにかかる時間が1年以上かかってしまう率は4.5倍に、2年以上かかってしまう率は12.5倍になるという報告がある。
  • 女性側では
    • 年齢が上昇すれば、「妊娠までにかかる時間」は長くなる。
    • 妊娠率とともに「妊娠維持率」も年齢の影響を受ける。
    • 出生児数は35-39歳の年齢層を境に減少する。
    • 加齢に伴う妊娠率の減少、「妊娠維持率」の減少は「(受精卵の)正常染色体(を作り出す能力)」を含む様々な要素が関係する。
    • 女性の年齢が上昇すれば、(受精卵の)染色体が「2倍体」である確率は低下する。
    • (受精卵の)倍数異常は、35歳以上では45.7%、35歳以下では34.8%との報告がある。
    • 他には、(受精卵の)2倍体率は、-35歳で50%、35-40歳で40%、40歳-で33.3%という報告もある。
    • 染色体異常や倍数異常は着床障害、流産の原因となると推定されている。

といった感じでした。
細かい話ですが、後半(女性側)の記述の「euploidy」「aneuploidy」は、多分、染色体異常のうち、「2倍体かそれ以外か」だけを指しているものと思われます(最後の方に「chromosomal abnormalities and aneuploidy」とandで結んでありますので)

こんな感じで何回かに分けてこの論文を読んでいこうかと思います。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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