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なぜ4CC胚盤胞が赤ちゃんになるのか?をドクター『I』流に考察してみる(2)

では進めていきましょう!
この論文はインパクトが強すぎて、忘れた頃にこの図を見ると
・・・一体僕は何をやっているのだろう・・・・orz
と「うつ」になってしまうのであまり見たくない論文なのですが、敢えて。

さ、ここに非常にきれいな8細胞の分割期の胚があります。



見ていて「うっとり」しちゃうほど、奇麗で愛くるしい胚でございます。
例えばこれを胚移植して「妊娠反応が陽性に出た!」「妊娠反応陰性だった・・・・」とやっているのが日常診療なわけですが、何と
「この初期胚の細胞(割球と言います)8個全部の染色体を端から全部見てみた!」
という強者がいらっしゃいます!
です。
えっと、バックグラウンドとしては・・・・
  • 35歳以下(29~35歳、平均31.3歳)で、体外やってもう妊娠→出産した方6組の余剰胚14個を解析させてもらった。
  • この方々は全9回胚移植していて、9回とも出産までたどり着いている。戻した胚は全部で15個で、そのうち心拍確認まで行ったのは11個という、非常に成績良好な方々だ。
  • 今回解析させてもらった余剰胚も、移植した胚とは形態的に全く遜色の無い形態良好胚だ
とのことです。
で、
  • 14個の胚には全部で105個の細胞(割球)があって、融解している時になくなっちゃったり、検査できなかったりしたものを除いて、全部で70細胞の染色体検査を行った。
とのこと。
で、その14個の胚の各割球の染色体検査の結果が以下の図、というわけです。
因みに
緑:染色体正常
グレー:大きいのは結果が得られなかった、小さいのは無くしちゃった
赤、青、オレンジが染色体異常があった割球

とのことです。

いや、本当にインパクト強いショッキングな図で、これ見ると、何か
「パンドラの箱を開けてしまった」
感が強い図なんですが、どうぞ。



はい。
  • 14個の胚のうち、(検査できた割球全ての)染色体正常だったのは4個(1番、7番、12番、14番)。
  • 残りの10個は何らかのモザイク
  • 因みに何かしらの染色体の「構造異常」が認められたのは12個
  • 全部が「同じ染色体異常」の割球からできていた胚は無かった。
だって!!!!

あんなに奇麗なのに!
あんなにかわいいのに!
あんなに健気なのに!


・・・・マジですか????
(いや、何でも見りゃいいってもんでもないってことですよ。知らない方が幸せなことも世の中一杯あるわけです。)

【続く】
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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