【今までのまとめ】さて、そんなわけで、初期胚、例えば8分割の割球は8個ぜ~んぶの細胞の染色体が全て同じなのか?というと、ま、同じなのもあるようですが、7割ぐらいがそうではなく、いろんな染色体の状態の割球が入り乱れている、と考えられているようです。
正常な染色体を有する割球もあれば、一本足りない割球があったり、逆に一本多い割球があったり。
そんなのが入り乱れている。
これを
モザイクというのでした。
そうなってしまう理由が以下のように考えられているようです。
精子と卵子が受精して受精卵ができる。
すると、
新しくできた「赤ちゃんの染色体」が即働き始めるのか?というと、そうではないらしいのです。
ヒトの場合は4細胞~8細胞になるまでは「赤ちゃんの染色体の遺伝子」はまだ活性化しないのだそうです。
4細胞~8細胞になるまでは、
卵子に残っていたお母さんのmRNAや蛋白質で何とか分割をするらしい。
(そのお母さんから卵子に残してくれたmRNAや蛋白質は「Subcortical Maternal Complex(SCMC)」と呼ばれているらしい。)
この「お母さんから卵子に残してくれたmRNAや蛋白質
(SCMC)」で分割しなきゃいけない期間は、どうにも分割が不安定になるんだそうな。
だから、正常受精して、かつ、受精した瞬間はちゃんと「46,XX」ないし「46,XY」で染色体が正常であっても、2分割→4分割→8分割の頃は分割が非常に不安定で、染色体異常の割球が沢山出来てしまうんだそうな。
そんな感じで、「お母さんから卵子に残してくれたmRNAや蛋白質(SCMC)」で何とか4分割~8分割まで行くと、そこでようやく、赤ちゃんの(胚の)新たな染色体上の遺伝子が活性化されてくるそうな。
(これを「
embryonic genome activation(EGA)」と言うらしい。)
こうして赤ちゃんの(胚の)新たな染色体上の遺伝子が活性化されてくる(EGAが起こる)と、染色体が1本多かったり少なかったりすると、その染色体から転写されてくる遺伝情報の量に多すぎ/少なすぎといった不都合が起こってくる。
4細胞~8細胞になって、ようやくEGAが活性化すると
「・・・何じゃこりゃ?」と、松田優作バリに、「自らがまずい状態にある」ことにようやく気が付くわけです。
(松田優作・・・知らないか・・・orz)
「こりゃまずい」
と、その割球は「何とかならないといけない」わけです。
(難しかったですかね・・・・わかりやすく解説したつもりですが。)
【続く】
スポンサーサイト
コメントの投稿