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なぜ4CC胚盤胞が赤ちゃんになるのか?をドクター『I』流に考察してみる(10)

【今までの経緯】
【あらすじ】
さて、そういうことで、8細胞期頃までは、染色体が正常な割球と染色体異常の割球が入り乱れている場合は多々あり、そうした胚を「モザイク」というのでした。
でも、そうした「モザイク胚」でも赤ちゃんになる可能性があることがあることが知られていて、そのために、染色体異常になってしまった割球(細胞)が、「赤ちゃんになることに極力参加しない」という積極的なメカニズムが存在するのだろう、と考えられているのだ、というわけです。
で、そのメカニズムとは、
  • 染色体異常になってしまった割球(細胞)が自ら察し、「分割を停止する」なり「死ぬ」なりして、赤ちゃんになることに参加しない。
  • 染色体異常になってしまった割球(細胞)を全部TE(将来胎盤になる部分)に集め、ICM(将来赤ちゃんになる部分)は染色体正常な細胞だけを集める。
というメカニズムがあるらしい。
なるほど。
では、実臨床上に何か役立つことはないか?という視点で話を進めています。
直近「PGS(と呼ばれているもの)」に噛みついていますwww。


【以下、本日のお話し】

さあ、(僕だけ勝手にwww)盛り上がってまいりました!
もうすでに誰もついてきてくれている気配がないwwwのですが、ええ。自己満足の域に達しておりますが、続けます!

そんなわけで、前回(昨日だっけ?)書いたのは、
PGSでモザイク胚、戻してみた
  • PGSでTE生検して「モザイク」でも、赤ちゃんになる可能性があるらしいぞ!
という話でしたが、今日はさらに一歩踏み込みます。
世の中、チャレンジャーがいるものですwww。

PGSで染色体異常胚、戻してみた

いや、天才と何とかは紙一重、とは言いますが、そんなことやるバ・・・失敬、天才がいるわけです。
PGSの結果、もう「モザイク」どころではない、完全に「染色体異常」と出た胚を戻してみたらしいです。
これが赤ちゃんになるようなら、もうそもそもPGSのコンセプトが歪むわけです。

えっと、こちら。ですね。2016年のASRM(注:アメリカの生殖医学会)の演題です。
えっと、概要は以下。
  • 常染色体モノソミー(管理人注:染色体が1本しかない状態のこと)は致死的で、そうした胚は着床しないか、初期の流産となる。
  • PGSの結果、染色体正常な胚が無かった13人に、完全なモノソミー胚を移植してみた。
だそうです。

簡単に注釈しておくと、通常染色体は2本1組なわけですが、これが3本になっちゃったり、1本になっちゃったりするわけです。
3本になっちゃってる状態の事を「トリソミー」、1本になっちゃってる状態の事を「モノソミー」と言います。
この先生たちがなぜ「トリソミー」ではなく「モノソミー」胚を選んだか?というと、「トリソミー」は「多い」、「モノソミー」は「足りない」ので、「モノソミー」の方が致命的だからです。
(おそらく)常染色体のモノソミーは生まれてこないどころか、そもそも「流産まですら行かない」ので選んでいるわけです。

で、結果がこちら↓



おいおいおいおいおいおいおいおい!!!!(たった一人だけど)生まれちゃってるよ!!!!
PGSで「4番の染色体が完全に1本足りません。残念です。捨ててください。」って胚から赤ちゃんが生まれちゃってるよ!!!!

A possible explanation for the misdiagnosis may be mosaicism, where different genetic cell lines are segregated in the trophectoderm of the embryo, while the inner cell mass contained only euploid cells.

だって。
つまり、
「ICMが染色体正常でTEが4番モノソミーのモザイク胚」
って解釈ですね。
(TE全てが4番モノソミーなのかどうか?は?ですが、まあ、かなりの高比率で4番モノソミーの細胞が入っていたのでしょう)

こりゃ、「PGSやっちゃったがゆえに捨てられちゃった生命」、間違いなくいるね。

((((;゚Д゚))))


【続く】(・・・誰かついてきてくれてます?)
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プロフィール

ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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