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なぜ4CC胚盤胞が赤ちゃんになるのか?をドクター『I』流に考察してみる(12)

【今までの経緯】
【あらすじ】
さて、そういうことで、8細胞期頃までは、染色体が正常な割球と染色体異常の割球が入り乱れている場合は多々あり、そうした胚を「モザイク」というのでした。
でも、そうした「モザイク胚」でも赤ちゃんになる可能性があることがあることが知られていて、そのために、染色体異常になってしまった割球(細胞)が、「赤ちゃんになることに極力参加しない」という積極的なメカニズムが存在するのだろう、と考えられているのだ、というわけです。
で、そのメカニズムとは、
  • 染色体異常になってしまった割球(細胞)が自ら察し、「分割を停止する」なり「死ぬ」なりして、赤ちゃんになることに参加しない。
  • 染色体異常になってしまった割球(細胞)を全部TE(将来胎盤になる部分)に集め、ICM(将来赤ちゃんになる部分)は染色体正常な細胞だけを集める。
というメカニズムがあるらしい。

【以下、本日のお話し】

どの位の細胞が「染色体異常」でも行けるの?

さて、今回見てみたいのはこちら。です。

ドクター『I』も斜め読みしかしていないのですが(wwww)お許しを。

まずもって、バックグラウンドとして、マウス胚は「染色体異常(=染色体の異数性)」というのが非常に低いのだそうな。
なので、「野生型のマウスの胚」は基本的に染色体は正常と考えていいそうな。
(いいなあwww)
これが図の「」。

で、ある処理をして(→興味がある人は原文を読もうwww)、「問題なく形態正常胚盤胞は形成するが、着床して早々に死ぬ」という運命を持った染色体異常胚を作ることに成功したそうな。
これが図の「

なので、「」の胚盤胞は、移植すると全部赤ちゃんになるし、「」の胚盤胞は移植しても絶対赤ちゃんにならないわけです。

で、この「」の細胞(割球)と「」の細胞(割球)を混ぜ合わせる比率を変えて、初期胚を作ったそうな(「キメラ」という)。
そうすると・・・・・・。



おおおおおおおお!!!!マジかよ!!!
8細胞期で染色体正常割球:染色体異常割球=1:1は完全に生まれてきてるじゃん!!!
「Complete rescue!」だって!

更には、染色体正常割球:染色体異常割球=1:3でも「Partial rescue!」、全部とはいかないまでも結構生まれてきてる!!

1:3って、8細胞期なら2個だけ正常でいいってことだよ!
1:3の胚盤胞って、75%が染色体異常の胚盤胞でも生まれて来るってことだよ!
25%だけ正常なら生まれてくる可能性があるってことだよ!

すげぇぇぇ!


胚盤胞が持つ「染色体異常の細胞」をちゃんと処理して、ちゃんと赤ちゃんにするメカニズムが備わってるんだねぇ。
(ちなみに、「」い細胞は、ICMではアポトーシスになりやすく、TEではcell cycle arrestになりやすいらしい。これも面白いね。ICMは赤ちゃんになる部分だから大事大事なんだねぇ。自然ってすげぇ!)

さ、5AAだの5BCだのやってるのがだんだんアホらしくなってきませんか?

【続く】

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コメント

[C337] Re: 質問させてください

> rescure=正常で生まれた
> ということですか?

その解釈でよろしいかと思われます。
  • 2018-01-26 21:07
  • ドクターI
  • URL
  • 編集

[C336] 質問させてください

このシリーズを興味深く読ませていただきました。
これから「PGS」と呼ばれているやつを受けようとしている患者です。(^-^;)
Complete rescue
Partial rescue
とはどういう意味でしょう?
rescure=正常で生まれた
ということですか?
お忙しいところ恐縮ですが、お時間あれば教えていただきたいです。
  • 2018-01-26 16:54
  • れいこ
  • URL
  • 編集

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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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