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EmbryoGlue®の最近の流れ確認しておく

さ、今年も勉強勉強。
ちゃんと学び、ちゃんと仕事した上で、ちゃんと遊ぶ。
そんなの当たり前ですから。
ニートなどという言葉は、ドクター『I』の辞書にはアリエマセンwww

最近あまり話題を聞かなくなった「EmbryoGlue®」ですが、最近の流れはどうなんでしょうか?
ちょっと調べてみたいと思います。

【背景】
コクラン2014がこちら。
コクラン2014には
「ヒアルロン酸含有培養液で胚移植する群は、臨床的妊娠率+出産率が上昇している。一見騙されそうだが、多胎率もやたら上昇してる。ということは多分、ヒアルロン酸含有培養液で胚移植する場合はお前らが気合い入れすぎてより多くの受精卵を胚移植しちゃうからこうなっちゃってるっぽい。」
「おい、お前らアホか。ちゃんと1個戻しで研究しろよ。」

と(いう風に)書いてある。
なので、Glueが本当にいいのか悪いのかわけわからん

【方法】
本日2018年1月8日、PubMedで「hyaluronan embryo transfer」をキーワードに検索。2014年のコクラン以降のヒトを対象とした論文を斜め読みします(reviw articleは除く)。

【結果】
  • ルーチーンで全員にGlueを使ってみた。
  • day2 ETでGlue群 v.s. そうでない培養液群
  • 有意差無し
  • 初期胚ETでは意味ないかも。

IVF 581周期で、ETをヒアルロン-リッチ培養液群 v.s. そうでない培養液群で検討
  • 有意差無し
  • 母体行年齢、既往体外受精あり、卵子数少ない、胚形態不良などのサブグループで解析しても有意差でない
  • 何かイマイチ。イケてない。(というような雰囲気で書いてある)

    • 42人のGlueでET群 v.s. 42人の普通の培養液でET群
    • 有意差無し
    • 但し、過去にIVFで妊娠に至らなかった既往があると、その臨床的妊娠率は有為に上昇
    • 皆に行う意味はどうよ?、でも、着床不全がある人にはいいかも。
    (管理人注:ま、おそらくこの考えが今の落としどころっぽい)

    • 過去にETしたけど妊娠しなかった283人の胚盤胞移植で検討
    • 有意差無し!
    • 過去にETしたけど妊娠しなかった人でもあんま意味ないっぽい。

    • ETするときに、みんなヒアルロン含有培養液を使うんだけど、「濃い」か「薄い」かで検討した。
    • 「濃い」群と「薄い」群で有意差無し!
    • 濃くても薄くても変わんね~ぞ

    【小括1】
    何だよ!ずいぶん旗色悪いじゃね~か!

    【追加検討】
    じゃあ、2014年のコクランから少し遡ってみる。

    【結果2】
    • 過去3回以上ETしても妊娠しなかった人を対象
    • 改善はしない。新鮮周期では、Glueを使わない方が成績が良かった.

    • 過去に複数回ETするも妊娠に至らなかったケース
    • 新鮮周期、自然周期での融解ET、HRT周期での融解ETの何れかで、形態良好day3胚をETする際、ヒアルロン含有 or notで比較。
    • 新鮮周期、自然周期での融解ET、HRT周期での融解ETの何れでも有意差ありでヒアルロン含有群の勝ち
    • 過去に上手く行かなかった群ではイイ感じ♪


    【小括2】
    おお、やっと「勝ち」が出てきたぞ。2012年だ。

    【考察】
    ま、あれだね。
    少なくともルーチーンで全員に使うのはイケてなさそうだね。
    (というか、そもそもその必要性は薄そうだわな。)

    ということで適応があるとするとRIF(着床不全)の場合、ということになるわな。
    RIF群でも「イケてる」という論文が出たかと思うと、「え~、変わらなかったけどなぁ」という論文が出る、という状況

    えっと、を見てみると、例えば

    7.2. Assisted hatching (AH)
    Until a proven beneficial effect of AH on LBRs is established, AH should not be offered.


    と、アシスティッド・ハッチングは「アホか止めとけ」と書いてあるけど、

    7.3. Embryo glue (adhesive compounds)
    The technique can also be of value in women with RIF.


    と、RIFでは「やってみる価値あるんでね?」と書いてある。

    なるほどねえ。
    ま、落としどころは着床不全の人限定で、希望者のみ、だね。
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    プロフィール

    ドクターI

    Author:ドクターI
    武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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