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着床不全~「着床の窓」がブレイクスルーになるのか?(1)

さて、ではやりましょう。ERA検査いついて。

胚が子宮内膜と「くっつく」(←実に適当な表現ですがwww)と着床するわけです。
一方で、子宮内膜は(逆に)胚と最も「くっつきにくい」組織、なんて表現されることもあるようです。
例えば「子宮外妊娠(今は「異所性妊娠」という)」。
多くは卵管に起こりますが、卵巣表面や腹膜なんかにも「くっつく」わけです。
つまりは、胚は子宮内膜で無くても「くっつく」わけですね。

一方で「子宮内膜」。
なかなかくっつかない人(着床不全)もいる。
なんで?????


子宮内膜は月経周期によりダイナミックに変化しているわけです。
月経により剥離した内膜が、卵胞発育と共に「厚く」なり(増殖期)、排卵すると「分泌期」と呼ばれる状態になり、妊娠成立しないとまた月経になり(以下繰り返し)

では、凍結してある胚(胚盤胞としましょう)はいつ移植すればいいのでしょうか?
自然周期なら、普通「排卵した日から5日後」に戻すわけです。
「そんなの当たり前じゃん」
そうですかね?
本当に排卵後5日目じゃないとダメなんですかね?

月経中に戻したら流石にマズいのは何となくわかると思います。
では卵胞が12mm、内膜5.6mmの時はどうでしょう?
・・・多分ダメですね。
卵胞18mm、内膜10.0mmの時は?
・・・これもダメでしょう。
排卵した当日や翌日はどうですかね?
・・・これもダメでしょう。
では排卵後3日目はどうですか?2日ズレですね。
排卵後4日目はどうでしょう?たった1日ズレです。
逆に排卵後6日目はどうですかね?こちらも1日遅れただけです。ダメなんですかね??
排卵後7日目はどうですか?かなり微妙ですね。
排卵後10日目は・・・流石に厳しそうな気がしますね。
1日や2日のズレでも絶対ダメなんですかね?

そういうわけで胚盤胞を胚移植する。
排卵後5日目に。
では排卵後4日目じゃダメなの?6日後は?たった1日ズレだよ?
排卵後3日目や7日目、つまり2日ズレで戻しちゃダメなの?

どのぐらいのズレならいいの?????

ほら。結構奥が深いわけです。

【インプランテーション・ウインドウ(着床の窓)】

そんなわけで、子宮内膜は「いつ何時たりとも着床させる」わけではないわけですね。
月経周期のうち、「一時だけ」着床を許す時期がある、ということです。
他の時間は受け付けない。一時だけ受け入れる。

この「子宮内膜が着床を許す」行為を「窓の開け閉め」に見立てて表現することがあります
ず~~~っと閉まっていた窓を、一時だけ開けてあげて、またすぐに閉めてしまう。
窓が閉まっている時に胚(受精卵)が来ても、「入れてあげない(=着床させない)」
窓が開いている間に胚(受精卵)がたまたま来れば、その時は「入れてあげる(=着床させる)」

これを「着床の窓(implantation window(インプランテーション・ウインドウ); window of implantation(WOI))」等と表現します。

丁度、下の図のような感じです。



真ん中の濃い青の「receptive」が「窓が開いている時」、この時に胚が来ると着床する。
その前(Pre-receptive)後(Post-receptive)は「窓が閉まっている」ので、どんなに完璧な受精卵(胚)が来ても「締め出しちゃう」。
そんなイメージです。

で、例えば100人の女性がいたとします。
この100人の女性、全員が全員、全く同じ時期、例えば排卵後7日目に必ず「窓が開いている」か?というとそうではないのではないか?というわけです。
窓の空いている時期に「個性」がある
「人よりも早く窓が開く」人もいれば「人よりも遅く開いている」人もいるかもしれない
で、実は「窓が開いている時間」も個人差があるのではないか?と考えられているようです。
「人よりもダラダラ長く開いている」人もいれば、「ちょっとの間しか開いていない」人もいる
十人十色なのではないか?という発想なわけです。


(わかりにくかったですかね???でも、ここを理解していただかないと話が続かないので・・・)
【続く】(予定)




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コメント

[C342] はじめまして&お礼

いわもと先生

初めまして。突然のコメント失礼します。
アメリカ在住のももと言います。アメリカでIVF治療を受けており、この期間中先生のブログや「妊活外来へようこそ!」を読んでいました。
昨日初めて受精卵を移植して、receptiveでありますように…と祈りながらいま妊娠判定を待っている状態です。

私は42歳です(採卵時41歳)アンタゴニスト法で15個採卵し、日本では賛否ある染色体スクリーニングを受け、幸運にも染色体正常卵が1つありました。アメリカでは普通にスクリーニングを推してくるのですが、一方で「今回正常卵ゼロと言われたらどうしよう」というプレッシャーも大きかったです。

ずっと読んでいたので、なんだか先生にお会いしたような気になっています。笑
耳慣れない専門用語と日米の不妊治療の違いで不安な事もたくさんありましたが、支えになっていただき本当にありがとうございました!(一方的なお礼ですみません)これからもいわもと先生の元で、1人でも多くの赤ちゃん&お母さん達が誕生することをお祈りしています。

寒い時期ですがどうぞお身体ご自愛下さい。

  • 2018-02-18 08:32
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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