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着床不全~「着床の窓」がブレイクスルーになるのか?(2)


【HRT周期での凍結融解胚移植】

さて、凍結胚を融解胚移植する際にホルモン補充療法周期(Hormone Replacement Therapy; HRT周期)が広く使われています。
で、この際、胚盤胞を戻す際「5日間プロゲステロンを使って、6日目に戻す」のが多分スタンダードではないかと思います。(ドクター『I』はART修行中からずっとこのやり方で教わって来たので、多分そうだと思っております。もしかしたら「お作法」で違うやり方もあるかも知れないです。)

この「5日間プロゲステロンを使って、6日目に戻す」、一応根拠があります。で解説済ですね。

一応復習。
元々は、「新鮮周期での卵子提供プログラム」から話が入っているのでした。
「新鮮周期での卵子提供プログラム」は、当然ながら「卵子を貰う」だけではダメなわけです。
レシピエント(もらう側)はドナーさん(提供する側)と子宮内膜をシンクロさせないといけないわけです。
どうやってシンクロさせるか?
ここで、ドナーさんは、HRT周期で内膜を作るのでした。
エストロゲンで内膜を作って行って、レシピエントさんの採卵に併せて「プロゲステロン」を使用し始めるのでした。
で、下のグラフは
  • Group A: 採卵日前日からプロゲステロン投与を開始=胚盤胞なら、6日間プロゲステロンを使って7日目に戻すのに相当
  • Group B: 採卵日当日からプロゲステロン投与を開始=胚盤胞なら、5日間プロゲステロンを使って6日目に戻すのに相当
  • Group C: 採卵日翌日からプロゲステロン投与を開始=胚盤胞なら、4日間プロゲステロンを使って5日目に戻すのに相当
というわけです。



こんなデーターが積み重なり、現在のエビデンスとしては、When oocyte recipients were studied further, starting progesterone on the day of oocyte pick-up (OPU) or the day after OPU produced a significantly higher pregnancy rate (OR 1.87, 95% CI 1.13 to 3.08) than when recipients started progesterone the day prior to OPU.
プロゲステロン補充を採卵相当日あるいは採卵翌日相当日から投与した方が、採卵前日相当日から投与したものより妊娠率は有意な上昇が認められた。)

とされており、胚盤胞なら、プロゲステロンを開始して6日目(または5日目)に行われる、となっているわけです。

ということで、「全体のデーター」としてはこれで行うのが最も効率がいい、というのがわかっているわけです。
が、前回の話の通り、
  • implantation window(着床の窓)は、窓の空いている時期に「個性」があるらしい。
  • 「人よりも早く窓が開く」人もいれば「人よりも遅く開いている」人もいるらしい。
というわけですので、
私個人のimplantation window(着床の窓)は、本当に全体で見た時に効率が最もいいタイミング空いているのか?
という疑問が湧いてくるわけです。
私個人の着床の窓は、7日間プロゲステロン使って8日目に戻した時に開いているのかも知れない。そういう「人より遅く開く窓」の持ち主なのかもしれない。それなのに、「全体で最も効率がいいから」って、「全体のデーター」から得られた5日間プロゲステロン使って6日目に戻す、というのが私個人にあっているの?
という疑問が残るわけです。

【続く(予定)】



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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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