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精子形成と酸化ストレス(2)

精巣+精巣上体が陰嚢内にある(腹腔内ではなく)のは、体温よりも低温にするためではないか?という説があるのは皆様もお聞きになったことがあると思います。
その例として
  • 停留精巣(精巣が陰嚢内に下降していない状態)では、造精機能障害を併発すること。
  • マウスやラットの精巣を手術的に腹腔内に固定すると、停留精巣と同様に造精機能障害を併発すること。
  • 精巣を中等度の高温に晒すという実験(動物のみでなく、古にはヒトで実験的に行われた事実もあります)で、やはり精子形成障害を引き起こすこと。
などが挙げられます。
では、なぜ精巣は高温になると精子形成細胞に障害が起こるのでしょうか?
この理由が活性酸素種(僕らの世界ではReactive Oxygen Speciesの頭文字をとってROS(ロス)と呼んでいます)なのではないか?と考えられています。

ROSは感染/炎症などでも産生されるのですが、そもそもはエネルギー産生の過程で副産物として出来てしまうものなのだそうです。
もう少しだけ詳しく書くと、僕らの活動のエネルギー源はATPという物質だということは聞いたことがありますでしょうか?
糖質/脂質/蛋白質を分解して、最終的にATPという高エネルギー物質が作られるのですが、このATPがミトコンドリアと呼ばれる場所で作られる時に、副産物として出てきてしまうのがROSだというわけです。
  • 低温だと糖質/脂質/蛋白質からのATP産生が少ない → ROSが少ない
  • 温度が上がってしまうとATP産生が増えてしまう → ROSも増えてしまう → 精系細胞障害
という図式ではないか?と考えるわけですね。

で、それに対抗しようというのが抗酸化剤なわけです。
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ドクターI

Author:ドクターI
武蔵境生息、(自称)不妊屋「ドクターI」、自己流生殖医療を語ります。

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